こんにちは!
子どもと一緒に 3D CAD やものづくりを楽しみたい、“まるいしお”です。
以前ご紹介した、「AIで生成した3Dモデルを、いつもの3Dプリンタで“色付き”に仕上げる方法」。
高価なフルカラー3Dプリンタを使わずに、紙と液体のりだけでできるのですが、前回はざっくりと流れだけのご紹介でした。
今回は自分の備忘録も兼ねて、より具体的な手順をまとめてみました。
こんな方におすすめです
- モノクロ出力の3Dモデルに少し物足りなさを感じている方
- AIで生成した3Dモデルをもっとリアルに楽しみたい方
1. はじめに
まずは前回のおさらいを兼ねて、簡単に概要をご説明します!
いまやすっかり身近になった生成AI。
魅力的な3Dモデルが驚くほど手軽に、しかも高速に作れるようになりました。
でも、「やったー! 良いモデルができた!」と喜んで3Dプリントしてみると……
「色がないと、なんか地味……」ということ、ありませんか?
そこで考えたのが、「ぬいぐるみの型紙のようにテクスチャを展開したものを紙に印刷して、造形した後に貼ればいいのでは?」という方法です。
ということで、今回はその詳細手順をご紹介します!
少し手間はかかりますが、その分だけ造形物への愛着が増します。ご興味がございましたらお試しください。
2. 詳しい手順
使用ソフト
- Blender
準備するもの
- AIで生成した3Dモデル(今回は .obj 形式)
- コピー用紙、ハサミ、液体のり
- Blenderに3Dモデルを取り込む
「ファイル」>「インポート」から、生成した3Dモデルを読み込みます。
- モデルに色を表示させる
「シェーディング」タブで「新規」をクリック。
Shift + A→「入力」→「カラー属性」を追加し、「カラー」→「ベースカラー」へ接続。
モデルに色を表示させる方法は以下でも詳しく説明しております。
デザインからモデリングまで全部AIにお任せ!part2 色を表示させる
- メッシュを結合して軽量化
再び「レイアウト」タブ に戻り、「モディファイヤプロパティ」→「モディファイヤー追加」→「生成」→「デシメート」を選択。
「比率」の数値を調整してメッシュの数を減らします。(今回は0.03にしました)
「適用」でモディファイヤを適用させます。
こうすることで、鬼のようなメッシュの数が減って、この後のシームを入れる作業がやりやすくなります。
ただし、やり過ぎ注意です。
- シームを設定
画面左上で「編集モード」に切り替えて、選択モードを「辺」にします。
切れ目を入れたい辺を選択し、右クリックから「シームをマーク」でシーム入れていきます。
Ctrlキーで連続選択が便利です。
POINT:
形が大きく変わる部分(くびれや関節など)で切れ目を入れると、きれいに展開しやすくなります。ぬいぐるみの型紙などを参考にするとイメージしやすいです。 - UV展開
「UV編集」タブ → Aキーで全選択 → 展開図を表示させ、Gキーで重なっているパーツを移動させます。
「+新規」で展開したものを画像にします。(この時点では画像としての保存はされていないので注意)
- テクスチャに色をベイク
「シェーディング」タブ → Shift+Aキー →「テクスチャ」から「画像テクスチャ」を追加し、先ほど作成したUV展開の画像を選択します。モデルは選択した状態で!
「UV展開」タブ に戻り、「レンダープロパティ」で「 Cycles」に設定します。
そのままレンダープロパティを下にスクロールし、ベイクタイプを「ディフューズ」、影響をカラーのみに設定したら、「ベイク」を押します。
最後に「画像」から展開図を保存します。(ここでようやく画像ファイルが作成されます。)
- 印刷
作成した展開図を実際のモデルサイズに合わせて印刷。
- 切って貼る
ここからは楽しい作業です。
パーツごとに切り分け、液体のりでぺたぺた貼ります。しっかり付きます。
- 完成!
印刷サイズをしっかり調整したり、貼り方を工夫したりすれば仕上がりはより良くなりそうです。
3. さいごに
手順はちょっと多いですが、道具も特別な技術も不要で“色付き3Dモデル”が楽しめるこの方法。
ぜひ試してみてください。貼る作業もけっこう楽しいですよ!
今回は自分用の備忘録も兼ねていますが、「3Dモデルにもっと愛着を持ちたい!」という方の参考になれば嬉しいです。
さいごまでお付き合いいただきありがとうございました。