こんにちは!ちょこっとだけCAD経験のある主婦の”まるいしお”です。
日頃から職場や家庭で感じている、ちょっとした不便なことやお悩みを
3Dプリンタを活用して解決していく「3Dプリンタで解決し隊」!
前回に引き続き、「コロコロスタンド」のお悩みを解決していき隊と思います。


3Dプリンタで解決し隊!~コロコロスタンドchp.3~

1.「反り」の洗礼

前回、作成した3Dモデルを3Dプリンタで出力していきます。

3Dプリンタの出力用ソフトで、なるべくサポート(黄色い部分)が少なくなるようにモデルを配置。
印刷プレビューをすると「所要時間は6.1h、材料使用量は136g」との見積もり。
時間も材料もとんでもない数字が出てきました。
もし失敗したら・・・と、ドキドキしながらも、ままよっ!と印刷ボタンをポチッ。
どうか失敗しませんように。

そんな願いも虚しく、造形途中で材料が出なくなるエラー発生!
どうやらテーブルから造形物が剥がれて、反ってしまったことが原因のよう。
3Dプリンタのテーブルの穴が詰まってて、造形物が剝がれやすくなっているのでは?
ということで、新品のテーブルに交換して頂き、再度印刷ボタンをポチッ。
(※この写真は別の造形をした際のものです)

余談ですが、この造形をしている時はちょうど七夕の時期でした。
短冊を書くとしたら「造形が上手くいきますように」と書いていたことでしょう・・・。
そんな願いも虚しく、またしても途中で止まってしまうエラー発生!!
前回と同様に造形物が反ってしまったようです(泣)

因みに、この「反り」ですが、今回のコロコロスタンドの様に大きくて薄い物を造形する際は
定番で発生する問題だそう。
定番の「反り」による造形エラーの洗礼を受け、次の一手を考えることに。


2.反り対策をする

という訳で、反り対策をするにあたり日頃からお世話になっている
株式会社プロノハーツの社員の方に相談し、沢山のアドバイスを頂きました。
その一部をご紹介します。

  • テーブルを新品に変更する
    →材料の食いつきが良くなり、造形物がテーブルから剥がれ難くなる。(これは実施済み)
  • 造形方向を変更する
    →反りが発生し難い方向で配置して造形する。
  • 材料を変更する
    →反り難いと言われる”PLA”へ変更する。今までは”ABS”を使用。
  • 分割して造形する
    →分割して造形することで、反りを抑制する。
  • 孔を空ける
    →孔の周囲は高密度で造形されるので、反りを抑制できる。
    また、反りとは関係ないが材料使用量を低減できるメリットもある。

「反り対策」と一言で言っても、その内容は山ほどあることが分かりました。
ふむむむ、勉強になります。
今回は教えて頂いた対策案の中から、「分割して造形」「孔を空ける」の2点を実施することにしました。
対策を反映させた3Dモデルがこちらです。

まずは「分割して造形」として、底面と壁面の2つのパーツに分割。
因みに、2つのパーツに分けて造形するので、造形後に組み合わせて固定する必要があります。
今回はタッピングねじで固定することにしました。
また、「孔を空ける」については、ただの「〇」では面白くないのでネコでくり抜いています。
これで3Dデルの修正は完了です。


3.造形に再々チャレンジ

さて、3度目の正直。今度こそ無事に造形できるでしょうか!?
そんなこんなで、ドキドキしながら待つこと6時間程。
無事に2パーツとも造形することができました。
最後に2つをタッピングねじで固定して、完成です!!

ちなみに、うっすらと見えている底面の青い部分。
これは塗装をしたわけではなく、スポンジシートを貼り付けたものです。
今回、底面のサポート材がどうしても取れなかったので、その目隠しとして貼り付けたのですが、
床の保護とガタツキ防止も兼ねてくれそうなので、結果オーライ??

というわけで、造形は無事に完了。
次は実際にM様宅で使用した感想を伺ってみたいと思います。


4.ご使用頂いた感想

早速、M様宅にてご使用頂いた感想を伺います。
ワクワク、ドキドキ。

しお:「どうでしたか?」
M様:「使う度にカバーを開け閉めする手間は無くなったよ! でも、・・・自立はしなかった。」
しお:「えぇぇ!!?」


自立しない原因は、2つ。
1つ目は、柄の部分が想定していたより重かったため、コロコロスタンド自体が後方へ傾いてしまうこと。
2つ目は、柄の長さが想定より長く、コロコロスタンドにあたる前に柄が壁に当たってしまうこと。
今回は現物を見ることが出来なかったので、
自宅にあるコロコロで代用しながら寸法を決めていったのが良くなかったか・・・(ただの言い訳)

それでも、お悩みの一つであった「使用する度にカバーを開閉するのが面倒!」というメインの問題は
無事に解決することができたので、ひとまずは良しとさせて頂きました。
M様ありがとうございました!!
いつか再チャレンジができればと思います。


5.さいごに・・・

今回はお悩みの全解消までは至らず、とても残念な結果となってしまいました。
自分の力不足を猛省しつつ、やはり現物を見ることの大切さを再認識しました。
それでも試作品の試行錯誤から始まり、度重なる造形の失敗、サポート材がどうしても外れない、
などなど、沢山の問題を解決していくことでよい経験をすることができました。

こんな感じで時に失敗をしつつ、少しずつですが成長していく「お悩み解決し隊!」を
今後とも応援よろしくお願いします!!