光造形方式の3Dプリンターを使った造形に、ドタバタ主婦3人組が初挑戦!!
試行錯誤した内容と対策をリアルにご紹介していきます。
前回で材料や後処理用の備品の準備、3Dプリンターのセットアップなどが完了しました。
というわけで、今回はいよいよ造形に初挑戦!!
さて、どんな結果になるでしょうか。ドキドキワクワク、ドタバタ造形劇場の開幕です。
書き手は、いつも子供と一緒に寝落ちしてしまう、”まるいしお”でお伝えします。
目次
- 1回目の造形
- スライサーってなに??
- 2回目の造形
1.1回目の造形
1-1. 造形開始
3Dプリンターのセットアップが完了したので、待望の造形を開始させます。
まずは同梱のUSBに入っていたサンプルデータで造形をすることにしました。
装置本体にUSBを差し込み、レジンを投入します。
この時、レジンの注意書きに「使用前によく振ること」と書いてあったので、その通りにバーテンダーよろしくよく振ったので何だか泡立っています。これで正解なのだろうか…(汗)
ちなみにレジンは結構臭います。
でも、始めの内こそレジンの独特の臭いを強く感じはしたものの、すぐに気にならなくなりました。
但しそれは鼻が慣れただけで、臭い自体がなくなった訳ではないので、作業をしている部屋から一旦出てまた戻ってくると臭いを感じます。
そういう点では、小さなお子さんがいる部屋などでの使用は少し難しいかもしれません。
そんなこんなで準備が整ったので、本体のタッチパネルを操作し、いよいよ造形が始まりました!!
造形完了までは約3時間の予定です。
1-2. 様子がおかしい・・・
主婦3人組が子育て談義に花を咲かせている横で、健気に上下を繰り返して造形をする3Dプリンター。
音は特に気にならないほど静かで、ビルドプレートを昇降するためのモーター音だけが響きます。
しかし、この「静か」なことが、この後に起こるドタバタ劇の前触れだったのです…。
FDM方式と違って、光造形方式では造形途中の様子を見る事ができません。「造形できてなかったりして(笑)」なんて、フラグを立てたのが悪かったのでしょうか・・・。
1時間を優に過ぎ、ようやくプラットフォームが液面から出てくるようになったところで、いそいそと覗き込む3人。
「あぁぁぁぁ!!何もくっついてない!!!」※写真は造形を中断した後。
そんな訳で、1回目は無事に失敗。
何で?どうして??と動揺しながらも、とりあえず材料が硬化する前に片付けをしていきます。
すると、バットの底面にわずかに硬化した樹脂が付いていました。何かを頑張った痕跡のようです。
※写真の様に金属のスクレーパーを使うと、バットを傷つけますのでやらないようにして下さい(汗)
2.スライサーってなに??
なぜ造形出来なかったのでしょうか?
要因はいくつか考えられるものの、子どものお迎えの時間が刻々と迫ります。何かしらの対策をして再チャレンジしようにも、もうサンプルデータを造形している時間はありません。
そこで、短時間で造形できるシンプルで小型なモデルを、モデラボからダウンロードして造形することに。
しかし、ここでもまた問題が発生。
モデラボのデータを使うためには、「スライサー」というソフトを使って、STL形式(※)のデータを変換する必要があることが分かりました。
※STL形式とは、三次元データを保存するファイルフォーマットの一つ。モデラボからダウンロードしたモデルは、このSTL形式で保存されている。
2-1. スライサーとは
「スライサー」ってなに?どんなことをするの??
- スライサーとは、STLなどの3Dモデルを、3Dプリンターで印刷できるように変換するためのソフトウェア。
- スライサーでやっていることをざっくり言うと、、、
3Dプリンターは1層ずつ材料を積み重ねて造形していきます。そのため、元となる3Dモデルを層になるように輪切り(スライス)にして、3Dプリンターが印刷できるようなデータにしてあげる、というイメージらしいです。
また、このスライサーを使って、造形中の温度や移動速度など造形に関わる様々な設定もできます。これがとても重要なのですが、それを3人が知るのはまだ先の話です。
2-2. スライスしてみる
さっそく、スライスしてみることに。
まずは、モデラボから造形したいモデルのSTLデータをダウンロードします。
今回は、曲面が美しい「ぐるくん様の”勾玉”」をダウンロードさせて頂きました。
データの準備が出来たら、スライサーソフトの登場です。
今回は同梱のUSBに入っていた「ChiTuBox」というスライサーソフトを使用しました。
アカウント登録をすれば、ネットからダウンロードして無料で使用することも可能です。
このChiTuBoxで、モデルの向きや角度、サイズなど様々なパラメータを調整していきます。
- 画面左のアイコンで、モデルの向きや角度などの配置を調整
- 画面右下の「設定」で、レイヤーの高さや露光時間などを設定
- 右上のタブで、サポートの設定
今回はネットの情報を頼りに、モデルの角度を20°傾けて、フロアからの高さを+3mmに調整し、それ以外は基本デフォルトのままとしました。
いよいよ、「スライス」を押してスライス(書き出し)をします。
ここで、印刷に掛かる時間や材料の使用量等も確認することができます。
今回スライスしたデータの印刷時間は、約30分程の見込み。これならお迎えに間に合いそうです。
スライスしたデータを保存し、USBに入れます。
これで3Dプリンターで造形できるデータの準備が完了です!!
3.2回目の造形
さて、お迎えに間に合うように、短時間で造形するためのデータ準備は完了しました。
しかし、肝心の「なぜ、造形できなかった?」が解決されていません。
ネットで調べると色々な造形不良の記事が出てきます。その中から「材料の温度」が怪しいのではと推察。
環境温度が低すぎると、上手く固まらないことがあるようです。室内とはいえ、真冬の信州の寒さを侮ってはいけません。
というわけで、材料となるレジンを湯煎にかけて温めます。20~25℃程度を狙いますが温度計もないため、容器を触ってほんわか温まった程度で良しとしました。(写真を撮り忘れたのでイメージ図です)
温めたレジンを3Dプリンターのバットに投入。早速、2回目の造形を開始。
子どものお迎えリミットまで約1時間半。失敗は許されません。ドキドキしながらも造形が出来上がるのを待ちます。
が、ああ無情。またしても失敗!!!
そして、今回もバットに頑張った痕跡だけが、悲しく残っていました。
さいごに
次回は、原因を深堀りして対策を考えます。