ドタバタ主婦3人組がレーザーカッターを使った加工に初挑戦!!
試行錯誤した内容と対策をリアルにご紹介していきます。

今回は、レーザーカッターで加工をするために必要な、加工用データの作成についてです。
データ作成時に使用したソフトや手順、注意点などをまとめました。

書き手は、毎年 信州の真冬の寒さに怯える ”まるいしお” でお伝えします。


目次

  1. ファイル形式
  2. SVGデータの作成方法
  3. まとめ
  4. さいごに

1.ファイル形式

1-1.対応している形式

レーザーカッターを使うには、他のデジタル工作機と同様に加工用のデータを準備する必要があります。

では、どんなデータを準備すれば良いのでしょうか?
参考までに今回使用した、HAJIME CL1 PLUSの取説から一部抜粋してみました。

<読み込むことのできるファイル形式>

  • Adobe Illustrator(.ai)
  • SVG(.svg)
  • JPEG(.jpg / .jpeg)
  • Windows BMP(.bmp)
  • Portable Network Graphics(.png)

※使用する加工機によって、対応しているデータ形式は異なると思いますので、詳しくはご使用される加工機の取説等をご確認下さい。

1-2.SVGとは?

対応している形式のjpgやpngなどは聞き馴染みがありますが、「SVG」とはどの様なデータなのでしょうか。

  • Scalable Vector Graphics(スケーラブル・ベクター・グラフィックス、SVG、日: 変倍ベクタ図形)は、XMLベースの、2次元ベクターイメージ用の画像形式の1つである。
  • ベクタ形式であるため、拡縮自在である。*1

もう少し、詳しく調べてみました。

そもそも、画像データには「ラスタ形式」と「ベクタ形式」という2つの種類があります。
それぞれに得意・不得意があるので、目的に合わせて形式を選択する必要があるようです。

  • ラスタ形式: 全てが「点」で描画されたデータ。写真などの複雑な画像に適している。拡大すると粗くなる。(jpg、bmp、pngなど)
  • ベクタ形式: 線や色などを「数値」で管理し、描画されたデータ。ロゴや地図など図形的な画像に適している。拡大してもキレイ。(svg、PDFなど)

2.SVGデータの作成方法

ここでは、テスト用に簡単なSVGデータを作成した際の手順などをご紹介します。
この手順はあくまでも一例です。
「こんなデータでできたんだー」という程度で、ご覧頂ければ幸いです。

今回はフリーソフトの「Inkscape」を使用しました。

2-1. テストデータを作成した手順

  1. Inkscapeの右上のファイル/ドキュメントのプロパティを開き、作成したい画像のサイズに合わせて、カスタムサイズの値を変更する。
  2. 「切断」をするための線を描画します。
    ① 四角ツールで四角を描きます。大きさは上部のメニューバーで変更できます。
    ②枠線や塗り潰しは以下の通りに設定しました。
    この条件で描画することで、加工機側に「切断用のデータ」と認識してもらえるようです。
     ・フィル(塗り潰し): なし
     ・ストローク(枠線): R 255、G 0、B 0(必ずRGB設定であること)
  3. 続いて、「彫刻」をするための四角を描画します。
    ①先程と同様に四角を描き、切断用の四角より少し小さいサイズにします。
    ②今度は以下の様に、フィルとストロークを設定します。
    この条件で描画することで、加工機側に「彫刻用のデータ」と認識してもらえるようです。
     ・フィル(塗り潰し): R 0、G 0、B 0(必ずRGB設定であること)
     ・ストローク(枠線): なし

  4. 選択ツールで両方の四角を選択して、「整列と配置位置」で中央に揃えます。
    この時、基準を「ページ」にすると描画範囲の中央で揃えられます。
  5. 最後に、ファイル/名前を付けて保存 で、「.svg」の拡張子を選択して保存します。

以上で、テスト用のSVGファイルの作成が完了です。

2-2. ペンツールで描いてみる

もっと自由にイラストとかを描いてみたい!!
そんな時は、Inkscapeの「ペンツール」を使うと便利です。

クリックしていくだけで、簡単にキレイな曲線を描くことができます。

また、ペンツールを使うと、描いた後から線の形を簡単に修正することもできます。
数値で管理しているベクタデータならではですね!!

こちらのペンツールで作成したデータも、四角と同様にフィルとストロークを設定することができます。
先ほどご紹介した、切断・彫刻それぞれの条件で設定すれば、もっと自由な加工用データを作成することができます。
ぜひ、お試しください!!


3.まとめ

今回お伝えした内容のポイントをまとめます。

  • 「切断」するには、
    フィル(塗り潰し): なし
    ストローク(枠線): R 255、G 0、B 0(必ずRGB設定であること)
  • 「彫刻」するには、
    フィル(塗り潰し): R 0、G 0、B 0(必ずRGB設定であること)
    ストローク(枠線): なし
  • イラストなど自由に加工用データを作成したい場合は、Inkscapeの「ペンツール」が便利!!

※使用する加工機によって要件が異なると思いますので、ご使用される加工機の取説等をご確認下さい。


4.さいごに

今回は、加工用データの準備についてお伝えしました。
レーザーカッターでは、jpgやbmpのような馴染みのあるデータも使えるので、気軽にオリジナルなモノづくりに挑戦することが出来そうだなと感じました。

次回は、実際にレーザーカッターで加工するために、ワークや加工機の準備をした様子をお伝えします。


*1 ー引用ー
「”Scalable Vector Graphics”」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』より。
“最終日付(2022年10月3日 (月) 17:37)” UTC