光造形方式の3Dプリンターを使った造形に、ドタバタ主婦3人組が初挑戦!!
試行錯誤した内容と対策をリアルにご紹介していきます。

前回、初めての造形に挑戦し、ことごとく失敗に終わった主婦3人組。
今回は造形が失敗してしまった要因を探り、その対策について調べた内容をご紹介します。

書き手は、「おかあさん、なんで顔ぱんぱん?」と4歳の息子に言われた、”まるいしお”でお伝えします。


目次

  1. 要因を考える
  2. 対策を調べる

1.要因を考える

造形に再挑戦する前に、前回の造形が失敗した要因を改めて考えることに。
まずは、前回の造形結果をおさらいします。

  • LCDテストを実行し、表示に欠け等がないことを確認済み。
  • ビルドプレートには硬化した樹脂の痕跡は一切ない。
  • バットに残っていた硬化した樹脂の厚みは1,2mm程度。初期層の痕跡と思われる。

以上から考えられることは、

  • 装置自体の樹脂を硬化させる機能は、正常に働いている。
  • 初期層の段階で、造形物がビルドプレートに固着できなかった。または、固着したもののすぐに剥離してしまった。

つまり、ビルドプレートに造形物をしっかりと固着させることが、この造形不良を解決するための糸口のようです。まぁ、見たまんまです。


2.対策を調べる

ここからは、更に要因を深堀りしながら、その対策を調べていきたいと思います。

2-1.ネットで調べてみる

早速、ネットで「ビルドプレート 剥がれる」で検索。すると、造形不良の記事が出てくる出てくる。山の様にヒットしました。どうやら、今回の様にビルドプレートに何も付いていないという造形不良は、光造形の初心者あるあるの様です。

それらの記事の中で紹介されていた主な原因と対策を、下表にザックリとまとめてみました。(今回の造形不良とは関係ない事象も含まれています。)

実際に行った対策については、この後に詳しく説明しますので、ここでは「こんなに沢山の原因と対策があるんだなぁ」くらいに見ていただければと思います。

2-2.実施する対策を決める

「ビルドプレートから造形物が剥がれる」と一言で言っても、その原因は多岐にわたることが分かりました。
その中から、明らかに今回の真因ではないものは省いていきます。最終的に残った、下記の対策を実施することにしました。

  1. 方法を変えてキャリブレーション(調整)を再実施
    前回はバットが取り付いた状態で、調整ねじを本締めしました。しかし、その場合は工具を真っすぐに当てることが難しく、締めている最中にズレてしまう可能性があったので方法を見直ししました。

  2. 紙やすりでビルドプレートの表面を削る
    物理的に紙やすりでビルドプレートを削るという荒業。でも、公式Twitterでつぶやかれているので間違いないはず…。表面がザラザラになることで造形物がしっかり食いついてくれます。

  3. 初期層の露光時間を35秒、露光時間を3秒へ変更。
    露光時間を長くすることで、樹脂をしっかり硬化させます。但し、初期層の露光時間が長すぎると、ビルドプレートから造形物を剥がし難くなることもあるらしいので注意です。

  4. ビルドプレートが持ち上がる速度を65/minへ、間隔を5mmへ変更。
    どうやら樹脂はバットにくっ付いた状態で硬化するようです。そのため、ビルドプレートを素早く持ち上げると、バットに造形物がくっ付いたままになってしまうことがあるらしい。速度と間隔を変更して、ゆっくり持ち上がるように調整します。

    因みに、バットにくっ付いて硬化するので、ビルドプレートが持ち上がる際に、「バリっ」というような剥がれる音がすることもあるそうです。今回、失敗した造形は全くの無音…(納得)。
  5. ボトムレイヤー層を6へ変更。
    ボトムレイヤー層と呼ばれる最下層を厚くすると、ビルドプレートへの食いつきが良くなるようです。

  6. レジンを湯煎で温める。(これは前回も実施)

調べていると、露光時間や昇降速度など様々なパラメータは、一概に「これ!!」と言う数値がある訳ではないようです。
より精巧な仕上がりを目指す場合は、使用するプリンターや材料に合わせて、トライ&エラーで調整していく必要があるもよう・・・奥が深い。

がしかし、今回のゴールは「精巧な仕上がり」ではなく、「とりあえず、造形したい!!」です。
繊細な調整は一旦置いておいて、ビルドプレートに造形物が固着すること、ただそれだけを念頭に設定をしていきます。これだけの対策を行えば、次はきっと成功するはず!!


さいごに

次回は、これらの対策を実施し、造形に再挑戦します。果たして3度目の正直になるか!?