「兜デザインコンテスト」締め切りまであと1カ月を切る! (2015/5/20)

ブロンズで3Dプリントするってどういうこと?

モデラーの皆さんこんにちは! 3Dモデラボさんと共同で「兜デザインコンテスト」を開催中の3Dプリントサービス「i.materialise」日本担当、高原と申します。今日は参加締め切りまで1カ月を切った兜デザインコンテストを盛り上げるため、ゲストブロガーとしてモデラボBLOGに記事を書かせていただくことになりました。

i.materialise

今回の兜デザインコンテスト、i.materialise賞・モデラボ賞の受賞者合計4人の方の作品は「ブロンズ」を使って3Dプリントする予定。体積や寸法の規定もブロンズでの作品出力を見込んで設定されています。そこで今回のブログでは、ブロンズで3Dプリントするってどういうこと? 何に気を付けてモデリングすればいい? ブロンズで3Dプリントしやすい兜の土台のデータはないの? など、これまでに寄せられた質問にお答えしていきます!

出力素材に合わせたモデリングとは?

i.materialiseでは、現在17種類(カラーや仕上げの組み合わせを含めると90種類!)の3Dプリント用素材を提供していますが、実はそれぞれの出力素材や造形技術には特徴があることはあまり知られていません。各素材の特徴を踏まえてモデリングするだけで、造形クオリティを最大まで高めることができるのです。

では、まず皆さんの兜が3Dプリントされる(かもしれない?)ブロンズはどんな仕組みで出力されているのかご紹介していきます。

1-piguins

▲ i.materialiseのマスコット「ピグイン」。5つの異なる素材で3Dプリントされています。デザインも素材に合わせて微妙に変えてあるのが分かりますか?

 

ロストワックス3Dプリントの仕組み

ブロンズやその他アクセサリーの3Dプリントなどに使われる主な金属素材(ゴールドシルバー真ちゅう)は全て、「ロストワックス」と呼ばれる方法で3Dプリントされています。

2-technology lost waxのコピー

▲ ブロンズ3Dプリントの過程を示した図

 

皆さんがデザインしたモデルは、まず光造形機を使いワックス(蝋)のような樹脂で3Dプリントされます。次にこのワックスで3Dプリントされたものの周りを石こうで固めます。石こう型をオーブンに入れて温めると、下に空けておいた穴からワックスのモデルが溶けて出てきます。石こう型の中にできた空洞に液状になったブロンズなどの金属を流し込んで冷ますと、金属3Dプリントの出来上がり。完成したモデルには1つずつ手作業で指定された仕上げ加工を施します。

じゃあブロンズで兜を3Dプリントする際のポイントは?

「兜デザインコンテスト」エントリー時には体積3500mm³以内寸法88×63×125mm以内との規定があるだけですが、ブロンズでの出力を目指すなら他にも気を付けるポイントがいくつかあります。

ポイント1.肉厚は0.5mm以上

まずは3Dプリント用モデリングで最も基本的な「肉厚」の厚み。ブロンズで何かを出力する際に求められる最小肉厚は0.5mmです。モデルを構成している全ての壁が少なくとも0.5mmないと、変形や破損の恐れがあるため3Dプリントができなくなってしまいます。兜をモデリングする際は前立ての部分など肉厚が薄くなりがちだと思いますが、どの部分も0.5mm以上になるよう気を付けましょう。

3-wall thickness

 

ポイント2.詳細なデザインも幅0.35mm以上に

表面に小さな唐模様などを浮かび上がらせたりすると、よりリアルな兜が出来上がりますよね。せっかくディテールに凝ったのに、3Dプリントしてみたら見えなくなっていた……なんて事態を避けるために重要なのは、デザイン詳細部の幅は0.35mm以上にしておくこと。これは文字を刻んだりする場合も同じです。また、デザインの横幅と高さ(または深さ)を一致させることも重要。例えば、浮き上がった文字の幅が0.5mmだったら、その高さも0.5mmに設定しましょう。

4-detail height depth and width

 

ポイント3.中空化で体積軽減

今回、3Dプリントする兜はミニチュアサイズ。そのためモデル体積も3500mm³以内というのが規定です。これを守るのがなかなか難しいよう……。体積がどうしてもオーバーしてしまう人は、体積の大きそうな箇所の中身をくり抜く「中空化(肉抜き)」にチャレンジしてみましょう。これは外側に必要な肉厚だけを残して中身を空洞にしてしまう作業。中身が空洞でも3Dプリントされたモデルの見た目は変わらない(むしろ中身が詰まっているより再現度が上がることもあります)ので、体積だけ減らせるというわけです。中空化させたモデルなら3Dプリントの造形を注文するときにも造形代が節約に!

5-hollow

 

中空化の際に重要なのは、どこかに余分な素材を逃がす穴を空けておくこと。中身が空洞なので、造形後に中にたまった素材がこの穴から逃げていくというわけです。ブロンズの場合は直径1.5mm以上の穴を2つ以上、なるべくたくさん空けておきましょう。中空化の作業は「Meshmixer」などの無料ソフトでもできてしまいます。

その他のポイントについては、i.materialiseのWebサイトに記載されているブロンズで3Dプリントする際の注意事項をご覧ください。

シンプル兜データをもとにデザインしてみよう

ではデザインのコツを学んだところで、早速兜をデザイン! とはいっても一から兜をデザインするのは結構大変。既にエントリーしていただいた方の作品には伝統的な兜のコンセプトを打ち壊す(?)ものも出てきているようですが、基本形にアレンジを加えてコンテストに参加したい方のために、今回ベースデザインとなる「兜デザイン基本形」を用意しました!

6-kabuto kihon data

7-kabuto kihon data

兜デザイン基本形:https://modelabo.net/3003/

4つのシェルに分かれているので、部分的にカスタマイズしたり必要な箇所だけ残したりするのにも便利。これに前立てを付けるだけでも立派なオリジナル兜の出来上がり!

締め切りまで1カ月を切った「兜デザインコンテスト」、さらに多くの方のご応募をお待ちしています!

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